『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』(以下、HEAVY RAIN)は2010年にPS3用に発売されたミステリーアドベンチャーゲームです。
2016年にはPS4に対応したリマスター版が発売され、その後2020年6月にはSteam版も発売されています。
『HEAVY RAIN』を開発したQuantic Dreamは、現在では『Detroit: Become Human』を手掛けた会社として有名になっています。ストーリーに分岐があったり、QTE(素早いボタン操作が必要な場面)が導入されていたりと、『HEAVY RAIN』にはその原型のようなシステムが多く見受けられます。
本記事では、そんな『HEAVY RAIN』のゲーム概要や、実際にプレイした筆者が感じた良かった点や気になる点を交えたレビュー、どのような人におすすめのゲームかを書いています。
『HEAVY RAIN』に少しでも興味のある方、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ゲーム概要
『HEAVY RAIN』はミステリーアドベンチャーゲームです。
ジャンルに「ミステリー」とあるように、この作品では「折り紙殺人事件」と呼ばれる連続誘拐殺人事件がテーマになっており、物語の主人公イーサンは「折り紙殺人鬼」に誘拐されてしまった息子を助けるべく様々な試練に挑むことになります。

また、プレイヤーは他に、私立探偵のスコット、新聞記者のマディソン、FBI捜査官のノーマンといったキャラクターたちを操作し、それぞれの切り口から事件の真相を追っていきます。
最初は別々に行動していた4人が、真相に近づくにつれて徐々に絡み合っていくような作り方は、やはり『Detroit: Become Human』に近しいものを感じます。
ゲームのタイトルに「RAIN」とある時点でなんとなくわかる方もいると思いますが、物語には全体的にじめっとして暗い雰囲気が漂っており、物悲しい雰囲気が好みの人におすすめのゲームだと言えます。
良かった点
没入感
プレイヤーが操作可能な4人はそれぞれがしっかりとしたキャラ立ちをしているのに加え、どの動作をするにもアクションが要求されたり、前述のQTEがあったりするため、キャラクターへの強い没入感があります。
序盤は歯磨きや冷蔵庫を開けるといった動作を細かく操作しなければならないことに煩わしさを感じますが、これも「プレイヤーはプレイヤー」ではなく「プレイヤーはキャラクター」といったように没入感を高めるための手法と言えます。
物語が進むにつれて危険な場面でのQTE等もあるため、プレイヤーはキャラクターと一体になって危険を乗り越える感覚を味わうことができます。

ARI
これは、プレイヤーが操作するキャラクターであるFBI捜査官のノーマンについてです。
彼は「ARI」と呼ばれる、サングラスと手袋のような最新操作ツールで操作を進めることになるのですが、これが非常に近未来的で個人的に好みでした。
操作するキャラクターの中に私立探偵とFBI捜査官がいるため、役割が被ってしまうのではないかと思っていましたが、目的や手法で差別化を図っていた点は良かったです。
気になる点
操作性
『HEAVY RAIN』は、昔に制作されたゲームであるせいか、操作が特殊になっています。
PS4版の操作で例を挙げると、左スティックはキャラの向きを変えるだけで、前進をしたいときにはR2を押す必要があります。
前述のように、『HEAVY RAIN』にはQTEや差し迫った場面も用意されているため、操作性が悪いということが大きなミスにつながりかねません。実際に筆者も操作性のせいで致命的なミスをしました。
没入感があるからこそ、余計な理由でミスをすると残念な気持ちになります。
回収されない伏線
『HEAVY RAIN』はミステリーゲームということで、もちろんいくつもの伏線が用意されています。
伏線は回収されるからこそ面白くなる要素ですが、この作品では回収されないものがいくつかあります。
これは、追加DLC3部作でそういった伏線について取り扱う予定だったにも関わらず、第1弾以降のDLCがSonyとQuantic Dream間の問題でキャンセルされてしまったことに起因します。
しかも、PS4版ではその唯一のDLCも配信されていないため、謎が残る結果になってしまっています。
会社間の問題ということでこればっかりはどうしようもありませんが、ミステリーゲームなのであればすべての謎を解明しておきたかったところです。
どんな人におすすめのゲーム?
以上より、『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』はこんな人におすすめのゲームです。
・ミステリーゲームをプレイしてみたい人
・ゲーム内のキャラクターに没入できる人
・物悲しい雰囲気が好みの人
PS4版の価格は3463円(税込)、Steam版の価格は1990円(税込)です。
『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』に興味を持った人は、ぜひ購入してプレイしてみてください。
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